伸びる会社の人材採用はここが違う!
キャリアコンサルティングセンター
代表 小林 順一
第4回 採用活動はどのように進めるのか ~メディア活用で雲泥の差がつく応募者数~
採用プロジェクトで3本の柱の内容を検討する
それではいったい具体的にはどのように採用活動を進めたらよいのでしょうか。
これからの採用及びその広報に欠くことのできない3本の柱はこれです。
- 会社の将来ビジョンを明示する(会社理念と将来ビジョン)
- ここで働く人にとっての会社の魅力を明示する
- 社内教育のやり方を明示する(入社時教育、一般社員教育、幹部社員教育)
これを掲げることができない会社は
採用戦線から間違いなく脱落すると思った方がよいのです。
これを掲げるために、採用プロジェクトチームを是非とも編成して下さい。
そこでの徹底的な議論がチーム全員のベクトル合わせになり、
実際の採用活動時に結束を強めます。
これを事前にやっておかないと、
応募者からの質問に人によりバラバラな答が出てきてしまい
信頼性を著しく損なわせてしまいます。
将来展望のない会社に人は集まらない
上の3項目のうち「①会社の将来ビジョンを明示する」について、もう少しお話ししましょう。
中小企業の場合、採用の最大の武器は会社の現状ではなく、将来ビジョンなのです。
大企業と対抗できるのはこれしかありません。
今をときめくトヨタや日立も、創業時には、いつつぶれるか分からない中小企業でした。
その中で創業者は、明日の自動車社会を、そして明日の国産技術の社会を
学生に熱く語ったに違いありません。「わたしと一緒にやってくれないか」と。
それに年々多くの優秀な学生が呼応したのです。
一口に将来ビジョンと言ってもさまざまな要素があります。
事業規模の拡大、事業領域の拡大、ネットワークの拡大、取扱い商品の変容などで
会社の5年先、10年先を描き、それに伴い社員の活躍の舞台がどのようになっていくのかを
説明できれば、たとえ現在多くの弱点を抱えていても入社希望の若者にとって
これ以上励みになることはありません。
パブリシティーを活用しよう!
企業などがマスコミのニュースになるような情報を提供することを
「パブリシティー」と言います。
これは採用活動において大きなチャンスなのです。
うまくやれば、会社名を載せてくれるからです。
「広告」と「パブリシティー」(情報提供)は大きく異なります。
広告は企業が料金を支払って自社と製品・サービスを宣伝するものですが、一方、
パブリシティーは情報だけをマスコミに提供して、マスコミの判断において報道される形態
です。
どちらもマスコミを媒体にしていますが、
特にパブリシティーは、マスコミという現代の権威によって報道の形で流されるため
視聴者に対する信頼感が極めて大きい、インパクトが抜群に強いのです。
例えば、学生の就職に関する報道番組にあなたの会社が実名で出たとします。
それを学生だけでなくその家族も見ていれば、ただちに家族の共通の話題になり、
あなたの会社と学生の距離は一気に近くなります。
パブリシティー(マスコミへの情報提供)への関わりはチャンス!
ですから、このパブリシティーの依頼があったときにはしり込みしないで、
たとえ会社の見せたくない部分があったとしてもそれは正直にお話し、
会社の製品やサービスの良いところを浮き彫りにするように、紹介して戴けばよいのです。
そして(これが重要なのですが)
パブリシティーを展開したいときには、必ず社長が前面に出ることです。
最近では、下町の社長が経済番組に出ることも珍しくなくなりましたが
とにかく、社長が逃げ腰ではメディアは興味をもってくれません。
パブリシティーを含めた採用広報のために、是非とも
マスコミの目を引き、声がかかるような個性的な御社のホームページを作ってください。
特に採用のページが充実しているホームページに、上記の3つの柱が詳しく載っていれば
それだけで学生の気持ちも動きます。
これがポイントです。
■次回のテーマは
<なぜ内定者に逃げられるのか>です。
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