組織がイキイキする会議術
経営活性化アドバイザー
前沢しんじ
第2回 会議のアイデア(ワンポイントテーマ会議)
ワンポイントテーマ会議
特定のテーマに絞った会議は焦点がハッキリしていて効果があります。
たとえば、「荒利改善のための会議」を行って、大きな成果を上げたことがあります。
会議の2週間前に、各部門に過去2年間の月別荒利の一覧表を渡し、
「荒利の低い原因と、その対策を考えてくるように」と通達します。
会議当日、事前に各部門長は自分の部門の荒利についてしっかり準備できていますので、
即時に議事を進めることができるのです。
会議の席上資料を渡して、「この荒利の低さはどうなっているのか」などという
効率の悪いことをしてはいけません。
そういう場合はありきたりの答えしか出てきません。
「会議は、やり始めたときにはすでに終わっている」くらいの準備をすれば
効果のある会議になります。
ちなみに、筆者がこの議題で行った時は次のような意見が出ました。
(1)現在荒利が低い原因
- 価格改定の際の設定が低すぎた
- 売れ筋が想定以下の価格帯に集中している
- 特売のやり方で全体荒利を下げてしまっている
- 高荒利商品が売れていない
- 荒利ミックスの技術が低い
- 在庫の多すぎによるロス
- 倉庫管理の甘さによる劣化
(2)対策
- 現在の品揃え、商品構成、価格をすべて洗いなおそう
- 売れ筋商品をワンランク上げるため、商品のセールスポイントを見直して、
お客様が買いたくなるような商品説明を考えよう - 高荒利商品の利益率を下げてキャンペーンで売り込んで、その良さを理解してもらお
う。
高荒利商品が売れれば自然と全体荒利は上がる。 - 荒利ミックスの精度を上げるためABC分析をきっちりやる。
売れ筋と死に筋を再調査して、売り上げ構成比に基づく荒利ミックスを考えよう - セブンイレブンのような優れた企業の荒利についての勉強会をしよう。
- 値上げというお客様に迷惑のかかる方法は避けよう
- 在庫の多すぎによるロスとか、倉庫管理の甘さによる劣化ロスは大きな損失なので、
全社的にロス対策を行おう
(3)結果
- 荒利のバラつきは支店間によって異なるものの、店によっては5年間で荒利が15%!
も伸びるという大きな成果を上げた - ロス対策として「1%ロスを減らそう!」という全社運動を行い、
一年間で年商17億の1%、1700万以上の純利増収という成果を上げた
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