組織がイキイキする会議術
経営活性化アドバイザー
前沢しんじ
第3回 会議のアイデア(お気軽会議)
お気軽会議(ミーティング)は効果的
オフタイムとか、フランクな会話こそ本音が出るものです。
会議後のオフレコ会話、立ち話、飲み会、喫茶店での会話など、
そこから真の改善案が出ることもけっこう多いものです。
きちんとした正式な会議は大切ですが、意見を聞いたりアイデアを出したりするときには、
ざっくばらんな形が意外と効果的です。
「こんなことしたいねぇ」とか、「前からこんなこと考えているんだけど」というような、
本人が普段考えていて、しかし会議で正式に発言するのはちょっと・・・という意見を
持っていたりするものです。
すばらしいアイデアが出ることもあります。
T君発案のアイデアで郵便局通販日本一に!
筆者は顧問先で会議を30年間、500回以上続けてきましたが、
会議の前と会議の後には担当部長と1~2時間打ち合わせ兼雑談を毎回していました。
その時にはよく誰かを呼んで話の輪の中にいれました。
部門長の場合もあれば、中堅の社員や若手も呼んで、雑談の形で色々な話をしました。
当日の会議に関することもあれば、仕事の中での問題点、気になっていること、
持っているアイデアなど、気楽な雰囲気のなかで話をしたものです。
ある若手社員が言いました。
「前から思っていたんですが、郵便局の通信販売に参加したらどうですかね?」
聞いてみると、店売り以外に販路を開拓すれば新しい売上げが作れる。
それも既存の商圏でなく全国を相手にすれば、ブランドイメージも上がるんじゃないかと。
私は彼に、「面白いね。さっそく調べてみてよ」。
T君はさっそく動いて資料を集めてきました。
担当部長が言いました。「やろう。このための会議を作って全社的に集中しよう」。
そこからスタートした「郵便局の全国通販」。
まずはこのテーマに絞った会議を招集。
メンバーは担当部長と私、支店長6人、事務方1名、外商部2名、卸し部1名、
それに発案したT君。
会議では今回の狙いと
展開計画、商品づくり、価格政策、人員シフト、時間計画、配送システムなどを
綿密に打ち合わせ、従来の郵便局通販単品売上げナンバーワンとクレームゼロを掲げて
全社的に取り組みました。
結果は従来の記録、単品で約3000個を大幅に上回り、7700個(約2300万円)という数字
を打ち立てました。クレームは実質ゼロでした。
もとはといえば、雑談の中から生まれたアイデアです。
それを綿密な会議で組み立てて、会議で全員の意志を統一して進めた結果です。
お気軽会議、恐るべし。
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