組織がイキイキする会議術
経営活性化アドバイザー
前沢しんじ
第4回 会議のアイデア(場所を変えて会議)
場所を変えて会議
いつもの会議室から外に出ます。
会議室では心も背広を着ていますが、
一歩外に出るとネクタイを外したような解放感があり、新鮮な意見が出やすくなります。
人間の心はちょっとしたキッカケで変わるものです。
筆者が企画進行した会議では、
各店の現場に出向いてミーティングしたり、貸し会場を活用したりしましたが、
新鮮な発言が目立ちました。雰囲気が変わると気持ちも変わります。
ここでは実際に顧問先であった例を取り上げ、「現場立ち話し会議」を紹介します。
答えは現場にある
立ち話しはホンネが出やすいのです。
たとえば会議で「○○君、最近の○○○の動きはどう?」とたずねます。
会議ですので彼は数字をあげて
『えーっと、お手元の資料のようにここ一週間で昨年対比10%増となっています』
よくできた答えのようですが、これを売り場で聞くとまた一味違った答えが期待できます。
「○○君、最近の○○○の動きはどう?」
『はい、昨年より少しいい感じできてます。
でもね、実は△△△のほうが結構出てるんですよ』
「どうして?」
『テレビのCM、あれ利いてます。
だからこうしてボリューム陳列してPOPつけて売り込んでるんです』
会議室での会議では親しみやすい言葉は使いません。
その点、立ち話しは同じ目線で話せます。
特に現場では、
実際の商品、実際の陳列など、数字で説明しにくいこともひと目で分かります。
できる人は場所を変える
アイルランドに「スーパークイン」というスーパーマーケットがあります。
イトーヨーカ堂の創業者、伊藤雅俊さんが見本にした会社だといいますが、
その会社では会議はすべて店内で行います。
その理由は、現場で行えばすべての問題がそこにあるので解決が速い。
説明を受けるより現場を見たほうがよくわかるなど、ということです。
※詳しくは創業者であるファーガル・クインさんの著書
「お客さまがまた来たくなる ブーメランの法則」を。とてもいい本です。
また糸井重里さんの会社「ほぼ日刊イトイ新聞」では
以前都内某所で、8時間の、いつもは出来ない大ミーティングを、
「たのしくやろう!」というテーマでやって上々の出来だったといいます。
糸井さん曰く、
「ほんとうに大事なことは、こんなふうにしてしか語り合えないような気がする」と。
すべての答えは現場にあります。会議室にはありません。
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