フラミッド型組織を構築して、時代に取り残されない組織を作る
ヒューマンパワー研究所代表
高田伸彦
第1回 なぜ今「フラミッド型組織」なのか? 現代の組織の抱える課題
みなさん、こんにちは。
企業や組織の人材開発、組織運営をお手伝いするヒューマンパワー研究所の高田です。
今回から6回に分けて、
普段みなさんが抱えておられるであろう、組織や人材の課題の整理と
その課題を解決するための、組織運営の形である「フラミッド型組織」について
ご紹介したいと思います。
こんなことに悩んでいませんか
企業の経営者やマネジメントリーダーの方と話をしていると、
どなたも自分の会社なり組織について
以下のような問題意識や不満を抱えている場合が多いと感じています。
- 指示待ち人間が多すぎる
- 現場の情報が上がってこない
- お客様のニーズを本当に考えていない。会社の内部的な都合で戦略を立てている。
- 本社の企画機能が低下している
- 本社の指示が徹底しない。現場は自分勝手に解釈して好きにやっている
- 専門外のことは全く分からない、分かろうとしない人間が多い
- 過去の成功体験にしがみついていて改革ができない
※マネジメントリーダーとは、管理職、組織をつかさどる「長」など
課題の根っこは実は同じ
実は私に言わせれば、これらの問題点の根っこは同じです。
これらの問題点の理由としては、悪名高き「ゆとり教育」がよくあげられます。
「ゆとり教育」の問題は確かにあります。
現在20代から30代前半の人材がこの「ゆとり教育」を小中高と受けることによって、
考える力、知識・技術を習得するための基本的な知力が極端に落ちてしまった、という論です。
これは誤りではないと思います。
この影響ももちろんあるでしょう。
しかし、これだけを理由に求めると、無理があるようにも思います。
むしろ、このような教育の面だけの問題ではなく、
大きな経済・社会のトレンドの変化が、
経営者やマネジメントリーダーのみなさんの感じている課題の根幹原因ではないかと
私は考えます。
市場の変化のスピードについていけない組織になっている
1970年代の末から、
「多様化」という言葉がビジネス社会で取りざたされるようになりました。
つまり、
お客様のニーズは多様化しているから、企業はそれに対応していかなければならない
ということです。
最初のうちは、そのニーズの多様化も、
本社がリサーチすれば大体のことはわかる程度の「多様化」「細分化」でしたが、
それが現在ではさらに進み、本社のリサーチでは追いつかなくなってしまいました。
それは
- お客様の多様化がさらに細かくなり、10人10色が1000人1000色になった
- そしてその有り様は常に相当なスピードで変化している
- それを現場から本社なり本部が吸い上げ、
全体一律の戦略に仕立て直して命令として発するときには、
すでにまたお客様と市場は変化してしまっている
という状況が発生しているからです。
このように、企業は相変わらず、本社でものを考え、それを現場に流し、
現場はお客様の顔を見ずに本社の顔を見て、ニーズに合わない戦術を実行しています。
ですので、成果が出ない、打つ手が当たらない、現場の情報も入らない、
指示待ち人間ばかりになってしまう、という構図になっているのです。
まさに、現代の企業に共通の悩みの根幹がここにあります。
それを解決させるためには、
企業の組織を変革させて、この変化のスピードについていかなければなりません。
そのヒントがフラミッド型組織にあります。
次回以降、その内容についてご紹介していきます。
※ 「フラミッド型組織」はヒューマンパワー研究所のオリジナルワードです。
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