フラミッド型組織を構築して、時代に取り残されない組織を作る
ヒューマンパワー研究所代表
高田伸彦
第2回 いいとこどりの「フラミッド型組織」
みなさん、こんにちは。
企業や組織の人材開発、組織運営をお手伝するヒューマンパワー研究所の高田です。
「フラミッド型組織を構築して、時代に取り残されない組織を作る」の2回目です。
第1回は、
企業や組織が、時代の変化のスピードに対応しきれなくなり、
その結果、そこに所属する人材たちの能力を物足りなく、
もっと言えば不満に思うようになっている、という話でした。
今回は、その解決策の一つである「フラミッド型組織」を構築する前提となる、
「ピラミッド型組織」と「フラット型組織」の特徴・メリット・デメリットについて
ご説明します。
ピラミッド型組織とは何か。そのメリット、デメリットは
ピラミッド型組織とはその名の通り、
組織の階層が明確で、命令系統がしっかりしている「上意下達」の組織です。
事例で言うと軍隊組織がまさにこれであり、
スポーツなら各自の役割と責任範囲が明確な野球が当てはまります。
(本当にプロフェッショナルな選手は、自分の責任範囲を超えてプレイしますが、
それはさておき)
上からの命令は絶対ですので、
本社や本部がやろうとしていることは、隅々まで浸透し(もちろん、これも簡単にはできませんが)、一糸乱れず目的に向かって突き進むことが理論上は可能です。
- バントのサインが出たら、絶対にバント。
- ベンチがものを考え、選手が実行する。
基本的には命令に従わない場合、ペナルティの対象です。
なので、全員、指示命令には従います
これがピラミッド型組織の最大のメリットです。
これに対してデメリットは、一言でいうと組織の硬直化です。
現場は上を向いて仕事するようになるので、
目の前のお客様がどんなに変化していようと、それに対応する力がありません。
同時に、そのお客様の変化の状況も
本部や本社に入ってこないか、非常にタイムラグがある状況で入ってきます。
ですので、それに対応しようとした時には、さらにお客様は変化しています。
このいたちごっこで、ついに企業は時代から取り残された存在になってしまいます。
個人のレベルでこれが起こると、「指示待ち人間」が現れたり、
「お客様のニーズを本当に考えていない。会社の内部的な都合で戦略を立てている」という問題点が発生したりするわけです。
フラット型組織とは何か。そのメリット、デメリット
これに対して、
フラット型組織とは、まさに組織の階層がない「フラット(平ら)」な組織のことです。
トップがいて、その下にみな平等にぶら下がっている組織です。
この組織形態ですと、本部からの指示は物理的に徹底できませんので、
目の前のお客様や市場の変化に対応して現場の人間が知恵を出すようになり、
「局地的には」お客様のニーズに対応できるようになります。
またお客様と市場の変化も本社、本部に上がってきやすいとうこともあります。
これがフラット型組織のメリットです。
一時期、会社内で、役職名をつけずに「●●課長」ではなく「●●さん」と呼ぶようにすること、というのが流行ったのは、こういう組織運営を目指してのことです。
スポーツに例えていうなら、サッカーでしょうか。
攻守は常に変化しており、選手は自分で判断し、
自分でプレーを選択しなければならない、という組織の在り方です。
ただし、これにもデメリットがあります。
それは、
この組織運営にすると、本社や本部の意思が現場に浸透しにくくなるということです。
フラット型組織にすると、誰にでも同等の発言権と行動する裁量がありますので、
何かを決めようという時でも百家争鳴、侃々諤々、議論ばかりしていて、
何一つ決まらない、行動に移せない、という状況が発生する危険性があります。
特に、市場の流れは、
長期的に見たときのマクロな流れと、短期的に見たときのミクロな課題があり、
それが往々にして逆の方向を示していることも多いです。
その場合は、本社がいかに正しい方向に会社を導こうとしても、
現場は目の前の甘い餌のある方向に進んで、
気づいた時には最後はみんな池に落ちておぼれ死んでしまう、
ということにもなりかねません。
この2つの組織のメリットを組み合わせるのが、「フラミッド型組織」
このように2つの組織にはメリットとデメリットがあります。
このメリットどうしをうまく状況や環境によって組み合わせていく、ということが
「フラミッド型組織」になります。
詳細は、メールマガジンの第5回と6回でお話ししたいと思います。
※ 「フラミッド型組織」はヒューマンパワー研究所のオリジナルワードです。
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