フラミッド型組織を構築して、時代に取り残されない組織を作る
ヒューマンパワー研究所代表
高田伸彦
第3回 今あるピラミッド型組織の進化のさせ方
みなさん、こんにちは。
企業や組織の人材開発、組織運営をお手伝いするヒューマンパワー研究所の高田です。
「フラミッド型組織を構築して、時代に取り残されない組織を作る」の3回目です。
ここまで
- 企業や組織が、時代の変化のスピードに対応しきれなくなり、
その結果、そこに所属する人材たちの能力を不満に思うようになっている - そういう状況の中でピラミッド型組織も、フラット型組織もメリット、デメリットがある。
- その「いいとこどり」をするのが、フラミッド型組織である
という話でした。
完璧なピラミッド型組織は百戦百勝
組織運営の論点からいうと、
昨今のトレンドでは、ピラミッド型組織は分が悪いようです。
具体的には、
- 組織が縦長で縦割りになる
- 人間の創造性を生かせない
- 時代の流れに柔軟に対応できない
などなどです。
もちろんピラミッド型組織ではそこに所属するほとんどの人が「駒」「歯車」ですので、
それが感情的に嫌がられるということもあるかもしれません。
確かに前回説明したように、そのようなデメリットはあるのですが、私に言わせれば、「完璧なピラミッド組織ならばそのようなデメリットも打ち消すだけのメリットがあります。」
例えば、優秀な軍隊が「完璧なピラミッド組織」の一例です。
大将(あるいは参謀本部)の命令一下、その命令に完璧に従って一糸乱れず戦える集団があったら、これほど強いものはありません。
企業運営に、一種の「戦い」の要素があるとしたら、このような組織は百戦百勝です。
負けるとしたら、参謀本部の作戦が間違えた時だけです。
ですので、フラット型組織を作る前に、まず今曲がりなりにもできているピラミッド型組織を、100戦100勝できる、完璧なものに進化させることが、「いいとこどり」をする上での重要なのです。
完璧なピラミッド組織の作り方
完璧なピラミッド型組織を作るためには、少なくとも以下の4つが必要です。
具体的な例も交えて説明します。
- 情報の伝達の回路が隅々までいきわたっている
これは基本中の基本です。
企業として、組織として何をしようとしているのか、今何をしなければいけないのかを
できる限り直接、末端まで発信できるようになっていることです。
例えば、
企業の戦略が経営会議だけで話され、
その切れ端が食堂のポスターなどで末端に降りてくるようではだめです。
その内容が、今でいえばスマホのメールなどで上から下まで全員にもれなく伝わり、
理解させることが重要です。 - 指示通りに現場が動いているかをチェックする機能が整っている
また、戦略があってもその通りに現場や末端がその通りに動いてくれなければ、
成果は上がりません。
ですので、
現時点での現場の行動がどうなっているかを、正確にモニターできる仕組みが
必要です。
現場の書く「営業日報」は都合の悪いところは隠されてしまいますので、
直接指示を出した側の人間が現場を確認する「チェック表」などの仕組みである必要
があります。 - 指示通りに動きたくなる仕掛けがある
とはいえ、現場も末端も「1人の人間」であることに変わりはありません。
ですので、彼ら彼女らがその戦略なり方針に従った場合に、
本人のメリットになるようなインセンティブ的なものが必要です。 - 基本的な行動様式が整備され、段階的に学ぶ教育体系がある
難しい書き方をしましたが、行動様式とはいわゆる「マニュアル」です。
飲食業であれば、接客マニュアル、キッチンマニュアルがしっかりとそろって、
誰が来ても均一なサービスが提供できるということが何より必要です。
またそれを学ぶための教育のシステムも必要です。
いかがでしょうか。
「フラミッド型組織」を作るためには、
強力なピラミッド型組織も、柔軟なフラット型組織も
どちらもできていなければなりません。
まず、その第一段階として、今あるピラミッド型組織をしっかりした強固なものに構築
しましょう。
※ 「フラミッド型組織」はヒューマンパワー研究所のオリジナルワードです。
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