学校では教えてくれない「ホンモノの資金繰り」の話

キャリアコンサルティングセンター

代表 小林 順一

第2回 小企業の資金繰り表のフォームは「現金出納帳」がぴったり ~資金繰り表の作り方~

資金繰り表の作り方

今回は、資金繰り表の作り方を述べます。

 

実は資金繰り表として特に定められた書式というものは存在しません。

どこの会社も勝手に自分のところの実情に合わせてやっているのです。

 

実情というのは、

同じ中小企業でも豊潤な資金があるため日々の資金繰りなど必要がないという会社は

向こう6ケ月~3年の月単位の資金繰り表でよいし、

一方前述のように収入と支出との1日のタイミングの差で資金がショートする恐れがある

シビアな会社もありますから、この場合はこれからお勧めするやり方がよいと思います。

 

この方法は会計知識のない初心者でもすらすらと出来てしまう方法です。

  1. 100円ショップの文房具売り場に行って「現金出納帳」を買ってきて下さい。
    資金繰り表のフォーマットは「現金出納帳」と同じです。
    「日付」「摘要」「収入」「支出」「残高」と並んでいますね。
    これらはすべて資金繰り表に使えます。

    違うのは「現金出納帳」が過去の実績を記入するのに対し
    資金繰り表はこれからの現預金の残高の予測をすることです。
  2. お近くの銀行ATMに行って銀行預金通帳に最新データを記帳してきて下さい
  3. 本日から向こう3カ月間の資金繰り表を作ってみましょう。

 

(ア) まず銀行通帳の最新の残高を「残高」欄に記入します。

 

金融機関が複数ある場合はその合計値を記入します。


(イ) 次に今日以降の現預金の収入と支出の全てを日付順に記入していきます。

 

会社の毎月の収支項目は毎月繰り返しますから、
ほとんどの項目は預金通帳の実績を見れば金額は分かるはずです。

 

ただし、売り上げ入金は金額が大きく毎月変動しますから

請求書の控えを確認する必要があります。

 

忘れがちになるのは雑収入です。

ここは預金通帳の過去の記録から予測してください。

 

支出の項目は大きいのは仕入れ金額です。
これも毎月変動する項目ですから、先方からの請求書で確認が必要です。


また、給与は残業の変動や賞与がある月や

退職者があったときは退職金が発生することに気をつけましょう。

これらに付随して福利厚生費も変動しますから注意が必要ですね。

 

家賃は契約の変更がない限り毎月一定ですが、光熱費は変動します。
特に夏と冬は冷暖房のため電気代が動きます。


営業活動費の中で変動が大きいのは、交通費交際費です。
これは新規事業立ち上げの時には大きく動きますから的確な予測が必要です。

 

また、設備投資をする時の分割支払い予定も正確に掴む必要があります。

 

■次回のテーマは

<資金繰りとは経理上の仕事ではなく全社に関わる経営問題です>

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