学校では教えてくれない「ホンモノの資金繰り」の話
キャリアコンサルティングセンター
代表 小林 順一
第3回 資金繰りとは経理上の仕事ではなく全社に関わる経営問題です ~資金繰りとは?と資金繰りのコツ~
資金繰りというと
- ウチでは今お金に困っていないから関係ない
- 資金繰りは経理の仕事。社長は関係ない
といわれる人がおりますが、実はこの考えが悲劇のもとになるのです。
資金繰りはお金に困ってからやるようでは遅いのです。
社長が率先してやらなければなりません。
資金繰りは経理上だけの仕事ではありません
資金繰りはお金に困っているからやるのではなく、
資金がショートしないか前もって予測することなのです。
また、資金繰りとは「資金繰り表」を作って終わることではなく
資金がショートしやすい今の仕組みを改革することです。
ですから、これらは社長や経理の一担当者だけの仕事ではなく
全社に関わる経営問題なのです。
これを怠っていると会社は不安定な状態になります。
それは少し考えてみればすぐに分かりますね。
だって明日のお金(運転資金)があるのかないのかが分からなければ
安心して事業などできるものではないのですから。
例えば
- 長期の資金繰り表は社長、短期の資金繰り表の作成は経理の仕事
- 銀行関係(資金調達)は社長の仕事
- 入金促進から支払猶予対策は経理・営業・調達部門の仕事
- 設備投資の凍結や実施時期変更から在庫調整までは全社の仕事
といったようにやるべき範囲は広いし、
時系列的にも現在と将来に関わる重大問題なのです。
どの仕事をとっても手が抜けないのです。
資金繰りの負担を軽くするための対策
前回、小企業のための資金繰り表の作り方を説明しましたが
資金がタイトになり余裕を持てない場合が多いため
日々の資金繰り表を作成する必要がある訳です。
これを作ってみると同じ項目が月に何回も出てくることがあります。
支払いを5日、10日、15日、20日、25日、月末など
月に何回も行っているときなどです。
この場合5日ごとに資金手当てをしなければならず、これをやっているだけで
1か月が終わってしまいます。
収入は先方の都合によるもので、こちらの都合で簡単に変えることはできませんが、
しかし支払いはこちら主導で変えられます。
できる限り、支払日を集中させ資金繰りの仕事の負担を軽くすることです。
そしてできる限り「入金」があってから支払うという原則に近づけられれば
資金繰りはかなり楽になります。
支払いをシンプルにし負担を少なくした分で
前述した「資金繰りを不調にさせていること」の改革に力を入れて下さい。
■次回のテーマは
<「在庫管理」と「設備投資」の失敗は致命傷になりかねません>
[次へ]