高収益をもたらす優良顧客の創り方
〜ロイヤルカスタマーは中小企業を救う〜
流通コンサルタント
高橋 秀樹
第4回 ロイヤルカスタマー創り3つのステップ1 知る
ロイヤルカスタマーの見つけ方と創り方
前回まで、ロイヤルカスタマーの必要性についてお伝えしました。
では、ロイヤルカスタマーはどの様に見つけて創るのかを
順を追って説明します。
ロイヤルカスタマー創りは次の3つのステップで行います。
まず「お客様は誰なのかを知る」
次に「貢献度の高いお客様はどの様な方なのか明確にする」
最後に「ロイヤルカスタマーの欲求を深堀し歩みよる」です。
ステップ1 お客様は誰なのかを知る
そもそも「お客様」とは誰なのかを知ることからスタートします。
お客様とは一体誰なのでしょうか?
実際に御社には、
ひとりひとりのお客様=「個客」の総数は
どれくらいいらっしゃるでしょうか?
その中で売上利益に貢献頂いているお客様は何人いるでしょう?
それを知るためには
個客がどれくらいお店に売上と利益をもたらせてくれているのかを
把握する必要があります。
EXCELなど表計算ソフトを用意して次の様な作業をしてみてください。
先月購入された個客名、売上(必要ならば利益も)と
構成比(全体売上を100とした時何%か)
その属性(どのような方が購入したのか)を記入してください。
整理し売上順にランキングにしてみましょう。
実際にこの作業をセミナーやコンサルの現場でやってもらいますが、
正確に書ける人は多くありません。
クレーマーや目立つ方は印象に残りますが、
実際に貢献している上位のお客様のことは案外知らなかった
という方も多いです。
商品知識が充分な方は多いのですが
一方で個客知識の持ち合わせが乏しい方が多いと実感します。
月末や月初など決まった時に定点観測をすることをおすすめします。
個客創りと名前
構成比上位のお客様が全体の何%になるでしょうか?
業種にもよりますが、
上位20%のお客様が総売上の80%位の貢献を
してくれているのではないでしょうか?
もし、この上位のお客様が突然来なくなったらどうなるでしょうか?
経営がかなり不安定になるのではないでしょうか?
一時的にライバル企業に浮気されても困りますね。
この「ありがたいお客様」をまず知り
把握することがとても重要な作業です。
ありがたいお客様=ロイヤルカスタマーの重要性を認識できるはずです。
ここで個客の名前を把握していない、全く知らないという場合、
これからでいいので顔なじみの個客から少しずつ会話をしながら
名前を聞き出してみてください。
デールカーネギーも著書で述べている通り、名前は大切です。
「人間は他人の名前などいっこうに気にとめないが、
自分の名前になると大いに関心を持つもの」(「人を動かす」)
名前で呼んでもらえるというのは
自己重要感を満たされることになります。
さらに個客メモを作り、
お客様をよく観察しメモをしておきましょう。
何に関心があるのか?
会話によく上がるキーワードは何か?
どんな家族構成なのか?
どんなテレビを観たり、本を読んでいるのかなど、
情報を集めて観察して洞察してみてください。
そうすると、ロイヤルカスタマー像が見えてくると思います。
提供している商品サービスとロイヤルカスタマーのニーズウォンツの
ギャップがあるとすればそれを埋める作業をしましょう。
[次へ]