利益を追うのではなく、生産性を高める!

ビジョン経営コンサルタント
羽谷 朋晃(はたに ともあき)

第4回 ビジョン経営を促進「環境整備」~組織・評価~

ビジョン経営は、経営者も含めた社員すべてがビジョンに沿った行動を実践していく事

と前回までにお伝えしました。

 

人は、目に見える行動のほかに、目に見える環境にも影響されます。

いくら具体的な行動を示したとしても、環境が整わないとなかなか動きません。

 

そこで、ビジョンに沿った行動を実践するには、その為の環境を整える必要があります。

 

ここで考える環境には、組織の在り方からオフィス環境まであらゆるものを含みますが

まずは、組織の在り方、組織形態についてご説明します。

組織は行動を促進する為に存在する

環境の中でも特に組織は重要です。

 

それにもかかわらず、これまでの私のクライアントのほとんどが、社員に求める行動とは

無関係に組織作りを行っていました。

 

組織には、部長、課長、主任など様々な役職がありますが、

それは、目指す行動を実践し促進する為に必要な別個の役割があるから存在します。

 

例えば、リーダーの役割はビジョンに沿った行動を推進することです。
リーダーが何を大切にして(価値観)、日々の業務を推進するかがビジョン経営の方向を
決めます。


ところが、多くの企業はここを間違えて役職を置き、十分な組織機能が出せていない。

 

Aさんは仕事も一番出来て、経験も豊富で人望もあるので部長にしよう。

Bさんは十分仕事も出来て、そこそこ経験も積んでいるので、課長にしよう。

 

こんな感じで、より現場仕事が出来る者を高い役職に置くことで組織が出来ている企業が

多く見られます。

 

場合によっては、部長も課長も役職がない社員も含めて、全員が現場の第一線で活躍し

仕事の内容に大きな差が無いという企業も存在します。

 

組織的に生産性を高めていく為には、

組織は企業が目指す行動を促進する為に存在するという認識が必要です。

評価は成長を促進する要因

企業活動の中では、様々な選択が行われています。

 

そして、人は選択した結果の良し悪しに一喜一憂してしまいがちです。

 

しかし、これからの変化が早い時代においては、

期待する結果が必ず出るという選択は無いと思っていたほうがよさそうです。

 

だからこそ、なされた選択に対する評価やフィードバックが重要になってきます。

 

期待する成果が出なくても、そこから学び、次に生かすことが、

人も組織も成長していく上で重要な要因となっていきます。

評価対象はビジョンに沿った行動

P(Plan:計画)D(Do:実行)C(Check:評価)A(Action:改善)

というPDCAサイクルは有名で、多くの企業が実行しています。

 

このサイクルを回して、生産性の高い組織を作るのも、評価がポイントになります。

 

そして、人も組織も成長していける評価をする為には、評価対象が重要になります

 

一般的に評価基準は測れなければならないと言われます。

そのため、定量出来る対象のみを評価している企業を多く見ます。

 

営業だと、訪問回数や面談人数そして売上、利益、といった、数字がそうです。

内勤業務だと、書類の提出期日、間違いの数などが入るかもしれません。

 

ところが、

評価すべき業務対象は、望む結果を得る為に成し遂げるべき状態・行動です。

 

営業ならば、顧客があなたの製品やサービスを買っても良いと思う状態、

また、訪問のアポイントが取れる、話を真剣に聞いていただける、等の

そこまでたどり着くまでの幾つかの関門があります。

 

そして、それらの関門をどのように上手く超えられたか、あるいは押し返されたか、
といった事をしっかり評価する。

 

そこで、何が課題なのか、その課題をどのように乗り越えていくかという、学習が

個人の中でも、組織の中でも起きてきます。

 

内勤業務でも同じです。その業務によって得られるビジョンに沿った行動。

その行動を評価対象に置くことによって、業務の質が高まります。

[次へ]

分類一覧

メールマガジン登録

弥生会計支援室 名古屋

金融円滑化法,経営改善計画,経営計画,

相続でお困りの方


ページの先頭へ