中小企業が直面している緊急課題と乗り越え策
株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男
掲載日:令和元年5月13日
第2回 「顧客との良質で永いご縁の創造」「業績=顧客の支持率達成」経営
企業の発展はやはりお客様を大切にすること
CS(顧客満足)を口にすると「未だCSに取り組んでいるの」「CSのブームは過ぎた」
「CSはもう古い」「飽きた」・・・などの声が聞こえてきます。
しかし
「顧客を大切にせずに成り立つ企業は世界に1社も存在しない」
「売上ゼロで成立する企業も世界に1社もない」のです。
口先だけの「CS=顧客満足」「マナーだけのCS」では業績向上に貢献しません。
顧客は上辺だけのCSにはごまかされません。またCSは一過性ではないのです。
企業・管理者が顧客は売りつけ対象ととらえ、
顧客を「騙す」「嘘つく」「誤魔化す」「手を抜く」「脅す」などで問題を引き起し、
時に犯罪を生み、ブランド崩壊を招きます。
貴方、ならびに貴社は
「当社は絶対にそんなことをしていない!全てにミスがないし品質管理も万全。
その上顧客を蔑ろにしていない」と言いきれますか?
ミスゼロの企業は存在しないように
時に、メンテナンスを引延ばす、品質低下を見過ごす、
クレームをいい加減にあしらう、マナー悪化を放置する行動は
どんな企業においても随所で見られます。
これを顧客も見ています。
だから年に1回は顧客が抱く『不』を調べる必要があり、現実に顧客不満足を調べ、
手を打つ企業は顧客に喜ばれ、評価され、
ファン・信者(信の文字と者の文字をくっつけると儲かるという文字になります)が
増えるのです。
まさに「業績=顧客の支持率達成」。
ある時に創業約500年で、現在も発展し続けている老舗企業の特性を調べたところ、
一部の顧客から500年間続いてひいきにされていることが分かったのです。
「代々、家族が食べる和菓子はA店からしか買わない」
「和菓子の贈り物はいつもA店から購入」という方々がいらっしゃったのです。
比率は全顧客数のわずか数パーセントでしたが、
しかし子々孫々が500年も続いて購入し続けた顧客数は、驚くほどの人数でした。
これこそRC(Royal Customer=絶対固定顧客)。
「RC顧客」は例え現在の購入は少なくても、周囲から見ると、
「Bさんは、常に商品やサービスを厳選している方だからBさんの選定は間違いない」や「チャンスがあれば是非とも自分もその商品・サービスを購入しよう」などに
つながっているのです。
真のCS(Customer Satisfaction・顧客満足)とは
CSとはビジネス用語ですが、
売上・利益の向上すなわち好業績のためには真の顧客満足が重要なのです。
真のCSとは
「売上や利益を上げようと強く、深く思えば思うほど、顧客の満足・幸せを強く深く
追求する企業・組織・社長の存在が業績を上げ発展し続ける」のです。
売上・利益をいつも口に出していらっしゃる経営者で
「その思いの丈だけ顧客の満足を深耕する」方がいらっしゃいます。
私が初めてその企業と仕事のご縁ができた時、社員数126名でしたが、
約20年後の現在は1部上場(創業51年前)。社員数は約8千名。
現在も成長の一途をたどっていらっしゃいます。次の100年を目指して。
まさに「業績=顧客の支持率達成」の真の姿です。
ところが
「どうやって儲けようか」「どんなモノを作れば売れるか」
「どのようにしたら売れるか」の発想では
「顧客不在の儲け重点・企業第一主義」になります。
「顧客が心の底で真に求めていることは何か」
「どのようなサービスをお客様はお求めだろうか」の取組みが
「顧客との良質で永いご縁の創造」であり、
正に地で行っている企業が存在するのです。
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