中小企業が直面している緊急課題と乗り越え策

株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男

掲載日:令和元年6月3日

第4回 「業種衰退化」の現実と失敗する「多角化」

ほとんどの業種は衰退の一途をたどっています。

 

そこで多くの企業は多角化等の施策に着手しますが、

逆に各種の新たな問題に直面し、却って衰退の速度を速めてしまっています。

最近M&Aで失敗した例もそれです。

 

それでは一体どうしたらよいのでしょうか。

 

答えはCS(顧客満足)の発展形態である『融合』にあります。

各業種は衰退し続ける

業種間競争の激化と事業継承者の減少により

ビジネス社会から撤退する中小企業も増えています。

 

一方、何とか発展形態を得ようと

別のさまざまな業種を導入し多角化を図る企業も増えています。

 

しかし、ほとんどどの場合、いくつかの理由で上手く進んでいません。

 

  1. 単純に儲かりそうだからと他の業種を導入しても、
    他の業種も同業者間の競争激化の状況にあるため、
    その課題・問題を抱え込んでしまうことになり、苦戦します。
  2. 今までの業種と新たな導入業種の相性が悪く、足を引っ張りあう場面も増えると、
    衰退の速度を速めてしまいがちです。
  3. 現場で働く人達は、ただでさえ現業で忙しいのに、
    新たな業種の導入で更に多忙となり退職。

    その噂を聞いた人達はその業種に就くことを避けるようになり
    人手不足を招く例も増加。

    店舗の場合、仕方がないので経営者の家族が寝る間もないほど働き続け、
    結局はその環境に耐えられずに廃業に陥ることも稀ではありません。
  4. 中小企業の「業績低迷」「物価高・増税などの支出増加」で、
    ただでさえ苦戦を強いられているのに、
    同業者間の「低価格競争」「値引き合戦」に巻き込まれ、
    ついには経営が成り立たなくなる事態を招いています。

    例えばコンビニエンスストア(CVS)は全国に約5万8千軒。

    本部は取扱商品・サービスを増やし続けているために働き手も苦戦。
    顧客も関連商品・サービス購入も減少し、今後は更なる苦戦が強いられます。

    理美容サロンは全国で約38万軒。
    高齢化も進行しサロンに行かない人達や回数の減少。

    1,200円、1,500円のカット店を選ぶ人達も増えているので、
    今後は大巾に店舗数が減少する方向。

    薬局・薬店はCVS以上の約8万軒で苦戦・・・etc. etc. etc.

 

業種の発展を促すために

業種衰退を乗越えようと各企業が他業種導入に拍車をかけていますが、

大抵の場合は上手くいっていません。主たる理由は先にご案内のとおりです。

 

いま話題の「プラットフォーム(集める)」「コネクテッド(つなげる)」の

次のステップは、「相乗効果を生む」「髙付加価値を創造する」『融合』といえます。

 

今後は顧客にとってトータルの魅力づくりと働き手の仕事の質向上、

複数業務の取組み、働く喜び、収入の増加等のバランスが大切です。

 

一見、「矛盾するこれらの諸要素を『融合』することが解決策」であり、

既にその成功事例は次々に誕生しています。

 

いまノウハウの構築は、こうして「矛盾する要件の乗越え」にあり、

その取組みは簡単に真似ができない新たな秘訣・ノウハウを生むのです。

 

「コストを下げて品質向上」「スピードアップできめ細かく」

「効率化を図り付加価値向上」などの課題乗越えがその取組みです。

経営面では当然のことですが、業績向上がなければ企業の発展はあり得ません。

 

そして業績向上は『融合』により導かれます。

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